ONE PIECE(ワンピース) - コメント[1]

ONE PIECE(ワンピース)は、週間少年ジャンプに連載中の尾田栄一郎作の漫画。食べるとカナヅチになる代わりに不思議な能力を身につけることが出来る「悪魔の実(ゴムゴムの実)」を食べてゴム人間となった風車村出身...  全文を表示

1: Posted by 名無しさん at 2012/04/20 00:40:28

ワンピースはどこから道を間違えたか
http://alfalfalfa.com/archives/5418116.html


ルフィの目的(作者からみた方向性)

1.ワンピースを探す(冒険)
   偉大なる航路や新世界など、人類の踏破を拒む「過酷な自然」や「未知の世界」
   に挑戦する開拓者(コロンブス)の最終目標として、
   ロジャーが提示したワンピース(マルコポーロのジパング)を目指し航海する

2.海賊王になる(変革)
   ここで言う海賊は略奪者(読切版のモーガニア)ではなく義賊(同版のピースメイン)
   既存社会は、天竜人の封建支配、失われた歴史など、理想の社会からかけ離れている。
   これに対し、自由な思想と立場で体制打破めざす役割である海賊(義賊)の王(支配者
   ではなく最も功績の大きい者)になる。

※ロギアは、2.の体制側の軍事力を暗示しており、ルフィはこれに対し小さな武器(ゴムゴム)と
  強い意志(覇気)で挑む民衆をイメージしているものと思われる。
 (このため反体制側の軍事力の象徴であるエースや白ヒゲは死ぬ必要があった)


この漫画の問題点は、1と2の二つの目的の担い手としてルフィの主人公性の不足と性格設定の問題があり、また、2つの目的へ並行してストーリーを進める難しさにある。

ワンピースはどこから道を間違えたか

【ロジャーの言葉と東方見聞録の違い】
冒険物語として、ルフィをコロンブスとたとえると、ロジャーの言葉はマルコポーロの東方見聞録にあたる。
しかし両構図には大きな違いある。
それはルフィはロジャーの足跡を辿っているだけであり、
コロンブスに比して開拓者としての主人公性(ヒーロー性)が薄いという点である。
これを補うには、冒険者としてのロジャーは伝説的で(詳細不明な)存在である必要がある。
逆にいうとロジャーの人物描写をすればするほど、ルフィの主人公性が薄くなる。
ロジャーの関係者としては、シャンクス、バギー、クロッカス、レイリー、エース
、白ひげ、金獅子、ガープ等がいるが、このうち致命的な存在はレイリーである。
冒険者ロジャーとともにラフテルに到達したレイリーと、ルフィとの接点が増えることは冒険者ルフィの主人公性を著しく低下させる。
 余談だがシャンクスがロジャーの船員だったという設定も不要と思われる。
(現在のシャンクスの行動原理を説明できない)

【動機なき自由な革命家ルフィ?】
本来、海賊=悪であり少年漫画の主人公(ヒーロー)には相応しくない。
この点を補うため、海軍など現社会体制=悪とする必要があり、それは初期の頃から作者の構想にあったと思われる(ネズミ大佐、革命家ドラゴン)。
その後、悪の原点として天竜人の存在が提示され、今後は対世界政府的な活動(戦闘、失われた歴史の解明)が物語の軸になると思われるが、肝心のルフィの動機が弱い。
 目の前で虐げられた人がいれば行動するが、明確な動機と思想をもって積極的に政府と対決する性格ではないのである。
 この点を補うため、苦悩するルフィが描写され、ハンコックやサボのエピソードが語られ、実父率いる革命軍、キーであるロビンなどの存在が描写されている。
ただ、これは描写が過ぎると冒険物語としての明朗さや単純で痛快な面白さを損なう可能性があり難しいところである。



このところ、独特の設定を提示する過程で、魅力的な脇役を描写しすぎた感があるので、一度物語を仕切り直すのは良い判断だと思われる。